本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
人形浄瑠璃。時代物。5段。近松半二・三好松洛(しょうらく)・竹田因幡・竹田小出・竹田平七・竹本三郎兵衛合作。1766年(明和3)1月大坂竹本座初演。武田・上杉両家は不和だが,室町将軍足利義晴暗殺の犯人の探索が両家に命じられる。武田家奥家老板垣兵部はわが子と武田勝頼をいれかえていたが,それが発覚。山本勘助の名前の継承をめぐる慈悲蔵と横蔵の逸話。上杉家の息女八重垣姫が許嫁(いいなずけ)の勝頼を慕う一途な心。将軍暗殺の犯人が斎藤道三とわかることなどが複雑に展開。最後には北条・村上が山本勘助のはからいで滅ぼされ,上杉・武田両家の不和も収まる。題名の由来は3段目,慈悲蔵が母のために雪中から筍(たけのこ)を掘ろうとする場面が,中国の「廿四孝」にちなむため。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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