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本家(ほんけ)

分家に対し,それを分出した家をさす。東北地方の同族型村落の場合,本家は日常的な援助や冠婚葬祭の役割などにおいて,分家に対し圧倒的優位を示すだけでなく,単数また複数の本家を頂点に,分家・孫分家の同族の階層的秩序で,村落運営も独占的につかさどってきた。田畑山林・家屋敷も広く,旧家としての高い家格と家柄を保った。また,同族本来の系譜を重視した本家・分家関係のほか,頼み本家などと称し,転住者もこれらの分家となったが,これは親方・子方関係や地主・小作関係が複雑に合致していたことなどによる。これに対し西南日本や海村部の村落では,本家といっても,分家に対し卓越した地位を保っているわけではない。これは隠居分家制や選定相続・分牌(ぶんぱい)祭祀といった親族構造の相違に起因する。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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