法華寺(ほっけじ)
奈良市法華寺町にある真言律宗の尼寺。正式には法華滅罪之寺と称し,門跡氷室(ひむろ)御所ともいう。聖武天皇の皇后光明子(こうみょうし)が父藤原不比等(ふひと)の邸宅を相続して皇后宮とし,さらに寺院に転じて宮寺と称した。これが大和の国分尼寺として法華寺とよばれ,総国分尼寺の立場におかれた。749年(天平勝宝元)墾田1000町などが施入され,堂宇が整備されたが,平安時代以降しだいに衰微。1245年(寛元3)西大寺の叡尊(えいぞん)が諸堂を復興してその末寺となり,室町時代には興福寺末となったが,1567年(永禄10)兵火にかかり,1601年(慶長6)に淀殿と豊臣秀頼が再建した。本尊木造十一面観音立像,および鎌倉時代の「阿弥陀三尊・童子像」は国宝。境内は国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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