戊辰戦争(ぼしんせんそう)
1868年(明治元)1月の鳥羽・伏見の戦から69年5月の箱館戦争までの,新政府と反新政府諸藩・旧幕府勢力との戦争。67年(慶応3)12月9日に小御所会議で決定した前将軍徳川慶喜(よしのぶ)への辞官・納地命令や討幕派の挑発行動により,68年1月3日鳥羽・伏見の戦が勃発。これに勝利した討幕派は慶喜と会津藩へ追討令を発して,東海・東山・北陸の3道から江戸に進軍した。2月慶喜は謝罪,恭順の意を表して江戸城を退去,4月11日江戸城の無血開城となったが,旧幕府主戦派は抗戦を続け,新政府は5月15日の上野戦争で彰義隊を壊滅させてようやく関東の治安を回復した。しかし8月旧幕府海軍副総裁榎本武揚(たけあき)は艦隊を率いて江戸を脱出,10月蝦夷地(えぞち)に上陸して箱館に蝦夷島政府を樹立した。新政府から会津藩追討令をうけていた東北諸藩は,会津藩への寛大な処分を求める周旋工作が失敗に終わると,5月に仙台・米沢両藩を中心に奥羽列藩同盟を結成した。これが奥羽越列藩同盟に発展して,新政府との間で東北・北越戦争が展開されたが,9月の会津戦争を最後に同盟側の敗北に終わった。68年1月に局外中立を表明していた列国も12月これを取り消し,翌年5月18日箱館戦争で榎本軍が降伏して終わった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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