戊申詔書(ぼしんしょうしょ)
第2次桂内閣の1908年(明治41,干支は戊申)10月13日に出された詔書。日露戦争後の国民精神教化のため,平田東助内相の提言による。列強との友好を説いて国民の対米感情が排日問題で悪化するのをなだめ,日露戦争勝利で西欧に追いついたという気分には勤倹貯蓄・産業奨励を求めて引き締めた。第2次桂内閣は翌日の地方官会議でこの精神を徹底することを求め,地方改良運動が進められた。この詔書は23年(大正12)の国民精神作興に関する詔書や35年(昭和10)の国体明徴声明などの先例となり,学校教育でも教育勅語と並んで重視された。48年6月19日に国会で教育勅語とともに失効が確認された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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