戊子入明記(ぼしにゅうみんき)
中世の日明外交の記録。1468年(応仁2,干支は戊子)に,天与清啓(てんよせいけい)が正使として入明したときの史料が中心。1540年前後に入明した策彦周良(さくげんしゅうりょう)が,諸記録から写しとったものとされる。遣明船の1号船の記録が主体で,搭載した貿易品・進物品,乗組員などのリストや,国書,警護の命令書,回向文などを雑多に収録。これ以前の入明の際の国書なども含み,入明の具体的史料として最も早い事例に属す。「蔭涼軒日録」なども参考となる。原本は京都天竜寺妙智院に伝わる。「壬申入明記」は類書。牧田諦亮「策彦入明記の研究」に翻刻。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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