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戊午の密勅(ぼごのみっちょく)

幕末期,孝明天皇が常陸国水戸藩に与えた勅書。1858年(安政5)8月,無勅許で日米修好通商条約を締結した幕府に反発した天皇は,幕府牽制のため水戸藩に勅書を下した。ここで天皇は無断調印などを責め,一致協力して外夷にあたることを望み,諸藩への伝達を命じた。これに対して幕府は水戸藩に回達差止めを命じ,返納を要求した。反発した水戸藩士は大挙屯集をくり返し,返納の不当を難じたが,幕府は安政の大獄によって弾圧。59年末,天皇に返納の勅書を出させることに成功した。60年(万延元)水戸藩は返上を決めたが,桜田門外の変がおこり,尊攘論が優勢となったため,62年(文久2)末勅書を公表,奉承ということで決着した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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