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坊津(ぼうのつ)

鹿児島県の薩摩半島南西端に位置する古代からの要港。南と西は東シナ海に面する。敏達天皇12年に百済僧日羅(にちら)が建てたという竜厳寺の坊舎があったことにちなむ地名。天平年間(729~749)以後南島路による遣唐使船の寄港地になったことから,入唐道として,古来から日本三津の一つとされた。地名の初見は鎌倉時代。元寇以後は倭寇(わこう)の根拠地の一つとなり,江戸初期の鎖国以後も密貿易で賑わったが,享保の唐物崩れ(幕府による海事統制)以後は貿易港としての役割を失い,漁港として発展した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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