方格規矩鏡(ほうかくきくきょう)
鈕(ちゅう)の周囲に方格がめぐり,外側の各辺中央にT字形,その向かい側にL字形,方格の対角線の方向にV字形の図文と8個の乳(にゅう)をおき,その間に四神・瑞獣(ずいじゅう)・神仙などを配した鏡。T・L字形を矩(定規),V字形を規(コンパス)にみたてたことに由来。こうした図形は,博局(はっきょく)(六博(りくはく)というゲームの盤)や日時計にもみられ,十二支銘や四神図などとともに陰陽五行(いんようごぎょう)説にもとづき,天円地方にかたどられた宇宙観の表現とされる。中国前漢末に出現し,後漢・三国に盛行。日本では弥生時代の甕棺墓(かめかんぼ)をはじめ,前期古墳からの出土例が多い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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