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貿易銀(ぼうえきぎん)

明治期に貿易決済用として鋳造され,のちに本位貨幣同様の通用を認められた銀貨。1871年(明治4)の新貨条例は,当時アジアの貿易決済貨幣として流通していたメキシコ・ドル銀貨と同等の1円銀貨円銀を鋳造し,開港場に限り無制限通用力を認めた。その後,世界的銀価格の低落にともない銀貨の流入,金貨の流出が激化したので,75年に政府はアメリカ貿易ドルと同じに増量した貿易銀を発行した。78年5月には銀価低落のなかでの金本位の維持が困難なことから,政府は貿易銀に無制限通用力を与え,本位貨同様に扱うこととした。貿易銀流出に対して同年11月その鋳造をやめ,円銀を復活した。98年4月1日限りで円銀は通用禁止とされた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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