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宝永金銀(ほうえいきんぎん)

江戸幕府が1706~12年(宝永3~正徳2)に鋳造発行した金銀貨の総称。金貨は10年から鋳造され,「乾」の極印(ごくいん)があった小判・一分金は乾字金とよばれ,また減量されて小形になったので小形金ともいう。銀貨には「宝」または「永」の極印があったが,この間大黒常是(じょうぜ)が鋳造に関与しなかったため「常是」の極印はない。06年の宝字銀,10年の永字銀・三ツ宝銀,11年の四ツ宝銀と改鋳がくり返され,そのたびに銀の含有率は低下した。永字銀以下の鋳造は,勘定奉行荻原重秀の独断によるという。元禄改鋳後の銀高基調を転換させるため銀貨の改鋳に重点がおかれたが,幕府は改鋳益金の獲得をめざし,勘定所役人と銀座の結託による私欲の追求もあったという。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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