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院宣(いんぜん)

上皇に近侍する院司が,上皇の意向をうけて,自分を形式上の差出人として発給する奉書形式の文書。「東大寺要録」に収める928年(延長6)の「宇多院宣旨書」が院宣の初見とみられるが,文書として様式が整うのは院政期である。書式は本文中に「院宣かくのごとし」「院の御気色により」などの文言をいれて,院の意向をうけたものであることを示し,最後に月日の下に奉者の署名に「奉」字を添えて記し,末行に充所を記す。本来私状形式の文書であるが,院政時代に上皇の政治力が強くなるにしたがい,院宣の影響力も増大した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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