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院号(いんごう)

太上(だいじょう)天皇の称号,女院(にょいん)の称号,摂関・将軍などの称号の3種類がある。(1)太上天皇の称号は,嵯峨天皇以後,京内外に営んだ居所によってよばれたもの。当初は居所の名を中国風の雅名にかえるのが例であったが,一条天皇以後は日本風の名を用いた。また,後一条天皇以後は在位のまま没した場合も院号を贈るのが例となり,ついには天皇号として定着した。(2)女院の称号は,これにならって,皇太后を辞した藤原詮子(せんし)が東三条院とよばれたのを初例とする。上東門院(藤原彰子)以後は門院号が大半を占めた。(3)摂関・将軍などの称号は,寺院名にちなんでよばれ,摂関藤原兼家の法興院(ほうこういん),足利尊氏の等持院(とうじいん)に始まり,のちには庶民や一般の僧尼にもこの風が広まった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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