色葉字類抄(いろはじるいしょう)
内膳司典膳の橘忠兼が編纂した平安後期の辞書。当初の体裁を伝える天養~長寛年間(1144~65)成立の2巻本,それに補訂を加えた天養~治承年間(1144~81)成立の3巻本,鎌倉初期に大幅に増補した流布本の10巻本「伊呂波字類抄」がある。日常使用された和語・漢語をいろは順に48編に区分し,さらにそれぞれを天象・地儀・植物・動物・人倫・人体・人事・飲食・雑物・光彩・方角・員数・辞字・重点・畳字・諸社・諸寺・国郡・官職・姓氏・名字の21部に序列し,和訓(反切)・用法などを示す。寺社の由来・縁起にも詳しい。当時の漢字表記を知りうる一級史料。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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