入会漁場(いりあいぎょじょう)
複数の漁民または村が共同で利用する,近世的な総有(そうゆう)関係にある漁場。村中入会・村々入会・他村入会の三つにわかれる。村中入会は一村入会で,総百姓入会と浦方総有入会がある。村々入会は複数村の入会形態で,漁業が発展して,旧村の占有漁場に新村が参入利用をはかる場合や,分村独立した漁村が親村と入会をはかる場合などに成立する。通常は「公儀の海」と考えられている沖合の入会漁場はここに入らない。他村入会は自村の地先漁場を他村漁民が入漁利用する形態。これら入会漁場は,明治漁業法では専用漁業権として,現行漁業法では共同漁業権として法的に認められた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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