諱(いみな)
本名・実名(じつみょう)のことだが,とくに生前の名をその死後に人々がいう場合の名をさす。もともと,死後はその人の実名を忌んで口にしなかったことから,この呼称が生じたとされる。のちにはそうした区別がなくなり,生前においても実名のことを諱とよんだ。また,貴人などの実名は口にするのもはばかられたため,その実名を敬称して諱とよぶこともあった。「偏諱(へんき)を賜う」といういい方もこれにもとづいたもので,特別なことがないかぎり貴人の実名を他に用いることは避けられた。死後にその人をたたえてつけられる称号・諡(おくりな)のことをさして,「のちのいみな」ともいう。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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