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今様(いまよう)

広義には平安中・後期に流行した当世風の歌謡をいう。狭義には特定の曲態や曲調をもつものをさし,「只の今様」「常の今様」と称された。「枕草子」などには風俗(ふぞく)歌・神楽(かぐら)歌とともに今様歌としてみえ,従来の固定化した風俗歌・神楽歌・催馬楽(さいばら)に対し,自由な表現と「今めかしさ」をもった新興歌謡として貴族の間にしだいに浸透した。院政期に盛行し,なかでも後白河上皇は青年時代から愛好し,1174年(承安4)には15夜にわたって今様合(あわせ)を行い,また「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」を撰した。ほかに藤原敦家・源資賢(すけかた)らの今様の名手が現れ,それぞれの家で郢曲(えいきょく)の一つとして伝承されていった。鎌倉時代以降はしだいに衰退した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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