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今鏡(いまかがみ)

「続世継(ぞくよつぎ)」とも。平安時代の歴史物語。10巻。藤原為経(ためつね)(寂超(じゃくちょう))作とみるのが定説。1170年(嘉応2)かその数年後の成立。「大鏡」の語り手大宅世継(おおやけのよつぎ)の孫で,紫式部に仕えたこともある150歳をこえる老女が語るという形式をとる。「大鏡」の終りの1025年(万寿2)から1170年までを描く。紀伝体で,「すべらぎ」3巻が天皇,「藤波」3巻が藤原氏,「村上の源氏」「みこたち」が源氏と親王を描き,さらに「昔語」「打聞(うちぎき)」という逸話を収めた巻をもつ。保元・平治の乱などは簡単にふれるだけで,貴族社会の種々相を肯定的に記す。平安後期の史料としても重要。「講談社学術文庫」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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