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井原西鶴(いはらさいかく)

生没 1642~93.8.10 江戸前期の浮世草子作者・俳諧師。「見聞談叢」によると本名は平山藤五(とうご)。大坂生れ。貞門派の俳諧師としてはじめ鶴永(かくえい)と名のる。「生玉万句」(1673)を契機に談林派に転じ,西鶴と号する。オランダ流と評された前衛精神で1日に2万3500句もの独吟(矢数俳諧)を成功させる一方,浮世草子の処女作「好色一代男」(1682)が評判をよんだこともあり,発展途上の大坂の出版ジャーナリズムと並走して二十数編の浮世草子を手がけた。好色や金銭という装置を通して巧みに世の人心をくみあげる才能は抜群で,八文字屋本などの後続作に多大な影響を与えた。代表作「好色五人女」「好色一代女」「本朝二十不孝」「日本永代蔵」「世間胸算用」。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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