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犬筑波集(いぬつくばしゅう)

室町時代の俳諧句集。宗鑑(そうかん)撰。1530年(享禄3)前後の成立。書名は「新撰犬筑波集」の略称で,古写本には「誹諧連歌抄」などとみえる。「犬」は連歌の「新撰菟玖波集(しんせんつくばしゅう)」に対する俳諧としての卑称。俳諧撰集としては1499年(明応8)成立の「竹馬狂吟集」についで古く,写本・古活字本・整版本として広く流布。諸本によって句数や本文に異同が多い。大部分の句の作者は不明だが,他の史料により宗祇(そうぎ)・宗長・兼載・宗鑑らの作と知られる句もある。作風は和歌的優美さを付句(つけく)で卑俗に逆転したり,卑猥な描写をよみこんだ句が多い。「古典俳文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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