犬養毅内閣(いぬかいつよしないかく)
第2次若槻礼次郎民政党内閣の総辞職後,犬養毅が組織した政友会内閣(1931.12.13~32.5.26)。高橋是清蔵相は内閣成立後ただちに金輸出を再禁止し,さらに積極財政を通じて昭和恐慌からの脱却を企図した。政友会は第18回総選挙で大勝したが,閣内には対中国積極政策を主張する森恪(つとむ)内閣書記官長や荒木貞夫陸相らと,それを抑制しようとする犬養・高橋らとの対立があり,満州国承認に消極的な犬養首相が,それに批判的な海軍青年将校によって暗殺されたため(5・15事件),内閣はわずか5カ月で,高橋財政による成果があがる前に総辞職した。これによって政党内閣は終りを迎えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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