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犬追物(いぬおうもの)

馬場に犬を放って騎馬で追いかけ,響目矢(ひきめや)で追物射(おものい)にする武芸。流鏑馬(やぶさめ)・笠懸(かさがけ)とともに,馬上の三物(みつもの)と称されるが,挙行記事は他の二つよりも遅く,「吾妻鏡」承久4年(1222)2月6日条が初見。当初は小規模だったが,徐々に作法が整備されて大規模になった。室町時代には,はずし弓70杖四方の馬場に垣をめぐらし,中央に縄で二重の円をつくる。小円に犬を放ち,これを大円の外から馬上より射る。また大円の外に逃げてくる犬を射ることも行われた。諸役のほか射手36騎,犬150匹を例とした。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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