1. 用語
  2. 日本史 -い-
  3. 稲荷山古墳出土鉄剣(いなりやまこふんしゅつどてっけん)

稲荷山古墳出土鉄剣(いなりやまこふんしゅつどてっけん)

埼玉県行田市埼玉(さきたま)稲荷山古墳出土の有銘鉄剣。古墳は古墳中期の前方後円墳。鉄剣は1968年(昭和43)の発掘調査で後円部の礫槨(れきかく)内から出土し,78年に銘文が発見された。長さ73.5cm,剣身の両面に115文字が金象嵌(ぞうがん)されている。銘文によると,この剣は辛亥(しんがい)年(471年か)にヲワケ臣が作らせたもので,祖先のオホヒコからヲワケまで8代の系譜を記し,代々大王の宮を警護する杖刀人(じょうとうじん)の長であったこと,ヲワケがワカタケル大王の統治を助けた記念としてこの刀を作ったという由来が記されている。この鉄剣銘からは,大和政権に仕える5世紀後半の東国豪族の姿が読みとれる。文化庁蔵。国宝。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう