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稲荷信仰(いなりしんこう)

京都市伏見区に鎮座する伏見稲荷大社を中心とする信仰。祭神は宇賀魂命(うがのみたまのみこと)で,田の神とされ,狐を神使(しんし)とする信仰がある。もともと稲荷大社は山城国を中心に近畿一帯に繁栄した秦氏の氏神とされ,平安時代には教王護国寺(東寺)の鎮守として,その勢力を背景に広く崇拝され稲荷信仰も広まった。中世から近世には商業経済の発達にともない,農耕神から商売繁盛の神として各地に勧請された。信仰内容は多面的で一様でないが,穀霊神の性格が強く,関東・東北地方では稲荷を屋敷神として祭るところが多い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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