怡土城(いとじょう)
福岡県糸島市にある古代の山城。対新羅(しらぎ)関係が緊張するなか,756年(天平勝宝8)大宰大弐吉備真備(きびのまきび)を専当官として築城が開始され,真備の転出後は765年(天平神護元)大弐佐伯今毛人(いまえみし)が専当官となって768年(神護景雲2)に完成した。標高416mの高祖山(たかすやま)の西斜面に,東は山頂の稜線,北は尾根,南は谷,西は山裾を境とし,西麓に約1.6kmの石塁を築いた。城の全周は約6.5km,面積は約280ヘクタール。北辺に5カ所,南辺に3カ所の望楼(ぼうろう)があったが,築城法は大野城をはじめとする朝鮮式山城と異なり,大陸式山城とされる。城跡は国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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