一向一揆(いっこういっき)
戦国期,本願寺門徒の武士・農民・都市民が,守護大名や幕府の武将と戦うために結成した一揆,またその武装蜂起。本願寺は15世紀半ば第8代宗主蓮如(れんにょ)の時代から,真宗諸派の門徒をはじめ,時宗,あるいは山伏など密教的念仏者ら一向宗とよばれる浄土信仰の徒を結集し,一大教団を形成。門徒らはみずからの信仰や利益を守るために結束して支配者と戦い,また本願寺の指令をうけて政治闘争に介入し,戦国期の一大政治勢力となった。加賀の守護大名を滅ぼし,100年にわたる一揆の自治を実現した加賀の一向一揆,室町幕府末期の足利義昭をめぐる政治抗争のなかで,天下人織田信長と10年に及ぶ抗争を展開した石山合戦などが有名。1580年(天正8)朝廷を通じての和議で顕如が石山本願寺を退去し,組織活動は終わった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう