伊曾保物語(いそほものがたり)
西洋の古典「イソップ物語」の翻訳本。ローマ字本1巻,国字本3巻。訳者不詳。1593年(文禄2)イエズス会天草学林出版のキリシタン版ローマ字本と,寛永頃刊の古活字本をはじめとする国字本の2系統がある。ともに伊曾保の伝記と寓話からなり,寓話はローマ字本70話,国字本64話で,共通する話は25話のみ。内容や文章に精粗の差が著しく,直接の関係は認めがたい。ローマ字本は当時の口語体を伝え,国語学的に貴重。「日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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