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出雲国風土記(いずものくにふどき)

諸国風土記の一つ。完全なかたちで伝わる唯一の風土記である。733年(天平5)2月30日成立。内容はほぼ713年(和銅6)の官命に対応し,国内の地勢や国・郡・郷などの名称の由来,国内の寺院・神社のようす,特産物などが詳細に説かれ,八束水臣津野(やつかみずおみつの)命による国引き神話なども含む。国府・郡家や駅家間の里程,軍団・烽(とぶひ)・戍(まもり)などの軍事的要素の強い記載も含むが,これは風土記成立の前年の節度使(せつどし)設置と関係するか。現存の諸本はすべて出雲国造家などに伝わる副本を祖本とする。「日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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