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出雲国造(いずものくにのみやつこ)

出雲国におかれた国造。意宇(おう)郡を本拠として勢力を伸ばし,出雲臣を称した。「古事記」「日本書紀」は,杵築(きづき)大社(出雲大社)の奉斎を命じられた天穂日(あめのほひ)命を祖と記す。「日本書紀」崇神60年条には出雲大神宮の神宝をめぐる争いがみえ,「国造本紀」は大和政権に従った宇迦都久怒(うかづくぬ)を国造に任じたとする。仁徳紀即位前紀には淤宇宿禰(おうのすくね)が倭屯田(やまとのみた)の経営に関与しており,大和政権内部の役割分担にもあずかったか。659年(斉明5)出雲国造に神の宮修厳を命じるとあり,これを杵築大社奉斎の始まりとみる説,意宇郡の熊野大社とみる説がある。律令制下にも国造任命が行われ,新任の国造は神賀詞(かんよごと)を奏上し服属を誓った。意宇郡は神領とされ,国造が郡大領を兼任した。国造家は南北朝期に千家(せんげ)・北島両家に分裂したが,現在まで存続し,国造相続の際に火継(ひつ)ぎ式が行われる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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