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出雲国(いずものくに)

山陰道の国。現在の島根県東部。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では能義(のぎ)・意宇(おう)・島根・秋鹿(あいか)・楯縫(たてぬい)・出雲・神門(かんど)・飯石(いいし)・仁多(にいた)・大原の10郡からなる。国府・国分寺・国分尼寺は意宇郡(現,松江市)。一宮は杵築(きづき)大社(出雲大社)。「和名抄」所載田数は9435町余。「延喜式」では調庸として絹・帛など。出雲神話などから知られるように,古くから独自の文化圏を形成し,律令制下でも出雲国造が任命され,代替りごとに天皇に神賀詞(かんよごと)を奏上するなど,特殊性が保持されていた。中世には近江国佐々木氏が守護となり,応仁・文明の乱後は守護代尼子氏が君臨,16世紀後半には毛利氏の領国となる。近世は堀尾氏・京極氏が松江藩主として一国支配。のち徳川家康の孫松平直政が松江藩主となり,隠岐国も兼領した。以後,支藩の広瀬藩・母里(もり)藩とともに廃藩置県に至る。1871年(明治4)隠岐をあわせて島根県となる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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