出雲のお国(いずものおくに)
生没年不詳。織豊期~江戸初期の女性芸能者。歌舞伎の創始者として多くの伝説をうんだが,その生涯についてはほとんど不明。通説では,1582年(天正10)春日若宮でややこ踊を演じた10歳前後の童の1人が少女時代のお国で,以後もややこ踊の名で諸国を遍歴したとする。1603年(慶長8)京で新風のかぶき踊を演じて成功し,多くの模倣者をうんで女歌舞伎の隆盛を招来した。京では北野神社の境内を拠点とし,宮廷や伏見城でもかぶき踊を披露。出雲大社の巫女(みこ)と称したが,出自についても諸説ある。07年には江戸でも興行したが,12年以後の消息は不明。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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