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出雲大社(いずもたいしゃ)

島根県出雲市大社町杵築(きづき)東に鎮座。式内社・出雲国一宮。旧官幣大社。1871年(明治4)まで杵築大社と称した。祭神は大国主(おおくにぬし)神。「先代旧事本紀」には素戔嗚(すさのお)尊とあり,中世には素戔嗚尊が祭神と考えられていた。大国主神の国譲りののち,多芸志之小浜(たぎしのおばま)に造営された宮を起源とすると伝える。そのときの祠祭者天穂日(あめのほひ)命が出雲国造家の祖。「口遊(くちずさみ)」によれば,神殿は東大寺大仏殿よりも高く,平安時代には神殿転倒の記録がしばしばみえる。11世紀中頃から国司による社領の寄進が増大し,鎌倉時代には社領12郷7浦となり,出雲国内最大の領主となった。出雲を姓とした国造家は南北朝期に千家(せんげ)・北島両氏にわかれ,隔年で神事をつとめたが,明治期以降は千家氏が行っている。近世に社領は大幅に削減され,御師(おし)の活動や富くじが重要な財源となった。1667年(寛文7)に神仏分離と正殿式の社殿復興がなされた。例祭は5月14~16日。本殿のほか,所蔵の秋野鹿蒔絵手箱も国宝,遷宮儀式注進状・後醍醐天皇綸旨(りんじ)は重文。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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