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和泉国(いずみのくに)

畿内の国。現在の大阪府南西部。「延喜式」の等級は下国。もと河内国で,716年(霊亀2)大鳥・和泉・日根の3郡が割かれて和泉監(いずみのげん)が設置された。和泉監は740年(天平12)に廃されて再び河内国に編入され,757年(天平宝字元)あらためて和泉国が分立した。郡の編成は上記3郡で,13世紀までに和泉郡から南郡が成立。国府は和泉郡(現,和泉市)におかれ,国分寺は839年(承和6)安楽寺(現,和泉市)が指定された。一宮は大鳥神社(現,堺市)。「和名抄」所載田数は4569町余。「和名抄」には調として銭のほか陶器・土器を定める。百舌鳥(もず)古墳群・陶邑(すえむら)古窯跡群などの遺跡や中世都市として著名な堺がある。守護は鎌倉時代には三浦氏・北条氏,南北朝期以降は楠木・細川・山名・大内氏らが任じられ,戦国期には畠山氏・三好氏や根来(ねごろ)寺などの勢力が及んだ。近世には堺は幕領で,また陶器(とうき)・岸和田・伯太(はかた)諸藩が成立。1868年(明治元)藩領以外は堺県となり,71年廃藩置県により旧藩領も堺県に統合,81年大阪府に合併。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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