石山本願寺(いしやまほんがんじ)
大坂坊・石山御坊・石山御堂とも。大阪市中央区にあった浄土真宗の寺。1496年(明応5)本願寺8世蓮如(れんにょ)が摂津国東成(ひがしなり)郡生玉(いくたま)荘大坂に築いた隠居所に始まる。1532年(天文元)10世証如のとき,山科本願寺が六角定頼軍と法華門徒に焼打され,石山に本山を移転。本山を中心に形成された寺内町(じないまち)は交通の要衝で,商人が集住する経済の一中心に発展し,大坂の原型となる。人口は2万人以上と推測される。耶蘇会士ビレラの手紙に「日本の富の大部分はこの坊主の所有なり」と記された。11世顕如(けんにょ)の時代に織田信長と対立,70年(元亀元)から11年にわたる石山合戦の末,80年(天正8)に紀伊国鷺森へ退去,石山全土が焼失した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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