石山寺(いしやまでら)
滋賀県大津市石山寺にある東寺真言宗の別格本山。西国三十三所観音第13番札所。石光山(しゃっこうざん)と号す。749年(天平勝宝元)聖武天皇の勅願で良弁(ろうべん)の開基と伝える。造石山寺所が設けられ,761年(天平宝字5)から翌年にかけて諸堂が整えられた。はじめ東大寺と関係が深かったが,平安時代には真言の道場となり,聖宝(しょうぼう)(初代座主)や観賢(2代)・淳祐(3代)ら多数の名僧を輩出。また観音信仰の隆盛にともなって天皇や貴族らの信仰を集め,参詣者があいついだ。1078年(承暦2)火災で全焼,現存の本堂は96年(永長元)の再建。多宝塔は1194年(建久5)の建立で源頼朝の寄進という。本堂・多宝塔が国宝に指定されているほか,「延暦交替式」など多数の国宝を所蔵する。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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