十六夜日記(いざよいにっき)
鎌倉時代の日記・紀行。1279~80年(弘安2~3)成立。阿仏尼(あぶつに)の50歳代後半の著。冷泉(れいぜい)家の祖である藤原為相(ためすけ)・同為守らの母として,亡夫為家から為相に譲られた播磨国細川荘の領有権の確認を求め,鎌倉幕府に直訴のため鎌倉へ下った際の旅日記と,半年間の鎌倉滞在中に京都に残る人々と交わした和歌の記録が中心。実際には訴訟の結果をみずに死んだようだが,写本で伝わる「阿仏東下り」は,阿仏尼が勝訴して帰京したように近世初期に改作したもの。「群書類従」,簗瀬一雄編「校註阿仏尼全集」,「新日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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