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異国警固番役(いこくけいごばんやく)

鎌倉幕府が元軍の侵攻に備え,九州北部と長門国の沿岸部の防備を固めるために編成した番役。これを勤めると,京都・鎌倉の番役が免除された。はじめは御家人のみで編成,のちには非御家人にも拡大され,幕府の権限が西国の本所一円地にも深く浸透する結果となった。1271年(文永8)九州諸国に所領をもつ御家人に,下向して防備にあたることを命じたのが始まりで,翌年2月には東国御家人の下向を待たず九州諸国の御家人に守護の指揮に入って防備につくことを命じた。75年(建治元),国単位で3カ月を1期とした編成を定めたが,翌年には石築地(いしついじ)の構築が始まり,国単位で地域を定める方式に改められた。1304年(嘉元2)には国単位で1年を1期とする編成に改められ,鎌倉幕府滅亡にいたった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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