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生花(いけばな)

「しょうか」とも。活花・挿花(そうか)とも。草花や樹木を素材に,花器とくみあわせてする表現芸術。室町時代には花材を手桶にいれて座敷飾にしたものを生花と称し,東山時代になると抛入(なげいれ)花も成立した。両者は侘茶(わびちゃ)の花として展開した。江戸中期の享保の改革後,簡略な表現法が求められ,立華(りっか)にかわる座敷飾の花として流行し,多くの流派が生じた。18世紀後半に植物の出生を理論化して,五つの役枝(やくえだ)を有する花形(かぎょう)を創出し,抛入花と区別するようになった。寛政の改革を機に役枝に天地人・序破急のような意味を付与することが形式化され,表現法が変化した。大正期に流行した盛花(もりばな)・投入(なげいれ)も生花の範疇に入るし,昭和30年代には各流派とも新しい生花を制定している。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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