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伊賀者(いがもの)

伊賀国の地侍の呼称。甲賀者とともに,戦国期には間諜や斥候(せっこう)として活躍した。1582年(天正10)徳川家康は本能寺の変に遭遇して領国三河へ帰る際に従った者を,のち護衛と道案内の功により直参や服部半蔵配下の伊賀同心にとりたてた。彼らは江戸幕府成立後も,大坂の陣などに出陣して間諜を勤めたという。その後は,職制の制度化にともない,大奥広敷勤番の広敷伊賀者,明屋敷勤番の明屋敷番伊賀者,西丸山里門勤番の西丸山里伊賀者,普請場の巡視や職工の勤怠を監察する小普請方伊賀者,江戸城大手三の門を警備する鉄砲百人組の伊賀組与力・同心などに編入された。いずれも御目見以下で,役高30俵2人扶持程度の軽輩であった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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