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井伊直弼(いいなおすけ)

生没 1815.10.29~60.3.3 幕末期の大老。近江国彦根藩主。父は直中。掃部頭(かもんのかみ)。号は宗観。兄直亮(なおあき)の死により1850年(嘉永3)遺領相続。ペリーのもたらした合衆国大統領書簡に対する意見書では開国論を展開し,前水戸藩主徳川斉昭(なりあき)と対立。溜間詰譜代の重鎮として,将軍継嗣問題では和歌山藩主徳川慶福(よしとみ)を推挙,一橋派と対立した。58年(安政5)大老となり,ハリスとの日米修好通商条約調印を勅許なく締結し,慶福(家茂(いえもち))を将軍継嗣に決定。その後水戸藩主に密勅が下されたため,尊攘派の志士をきびしく取り締まった(安政の大獄)。そのため60年(万延元)3月水戸・薩摩の浪士に暗殺された(桜田門外の変)。白昼におきた幕府最高実力者の暗殺は,幕府の権威を急速に失墜させた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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