管理通貨制度(かんりつうかせいど)
金本位制を離脱した一国の通貨当局が国内通貨流通量を政策的に管理し,為替相場の変動を調整しつつ,多国間協定にもとづき安定させる通貨制度。歴史的には1920年代の再建金本位制が30年代に大恐慌により崩壊し,第2次大戦にかけて各国が過渡的・戦時的な管理通貨制度に移行した。大戦中に戦後通貨体制がJ.M.ケインズの活躍により米・英両国間で模索され,44年のブレトン・ウッズ会議をへて45年に国際通貨基金(IMF)が成立,アメリカ・ドルを基軸とした国際的な管理通貨制度が確立した。日本は1931年(昭和6)末犬養(いぬかい)内閣の高橋是清(これきよ)蔵相による金本位制離脱後に始まる戦時管理通貨制度が,戦後占領期に再編され,独立後の52年にIMFに加盟して確立した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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