関東御分国(かんとうごぶんこく)
鎌倉幕府の首長である鎌倉殿(将軍)に与えられた知行国。1184年(元暦元)に三河・駿河・武蔵3カ国が源頼朝に与えられたのに始まる。85年(文治元)末には相模・武蔵・伊豆・駿河・上総・下総・信濃・越後・豊後の9カ国が頼朝の知行国となった。その後やや減少し,幕末までほぼ4ないし6カ国であった。文治期以後幕末まで関東御分国だったのは,駿河・相模・武蔵・越後の4カ国(越後は一時期離れる)。初期の名国司(みょうこくし)は源氏一族に限られたが,のち有力御家人にも及び,やがて北条氏一族に独占される。なお幕府が特殊な支配力を及ぼしていた東国諸国を関東御分の国々とよぶこともあった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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