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勘当(かんどう)

「かんとう」とも。(1)勘気をこうむること。勘事ともいう。律令の用語では罪を勘(かんが)えて刑をあてることを意味していたが,平安時代以降は,転じて勘気をこうむることを意味するようになった。とくに天皇の勘気をこうむることを勅勘とよぶ。(2)中世になると主君の勘気をこうむることのほか,親が子を絶縁する場合にも用いられるようになった。後者の意味では不孝(ふきょう)・義絶の語も使われた。近世では親がこらしめのために子を絶縁して家から追い出す行為を意味し,出奔した子に対する親の絶縁(久離(きゅうり))とは一応区別された。ただし,追出久離とも称する。勘当は,親が口頭または文書で申し渡すだけ(内証勘当)の場合もあったが,法的効力をもつには,幕臣は大目付,その他の武士は主君,幕領の町人・百姓は町奉行所・代官所,私領民は領主に願い出,それより幕府の三奉行に届け出て,江戸町奉行所の言上帳に登録のうえ,その謄本である書替を受理する必要があった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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