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官寺(かんじ)

本来は国家により設営された寺院をいうが,広義にははじめ私的に建立され,のち国家の経済援助をうけるようになった寺院もさす。680年(天武9)官寺の対象が大官大寺(だいかんだいじ)・川原寺(かわらでら)などの国の大寺と飛鳥寺に限定された。奈良時代には,薬師寺・大安寺・元興寺,藤原氏の氏寺である興福寺なども官寺の扱いをうけ,天平年間には新たに東大寺・法華寺が造営され,地方に国分寺・国分尼寺がおかれた。天皇の発願により設営されたこれらの寺院のほか,国家から寺封(食封(じきふ))の施入をうけ運営される有食封寺や,国家から指定された一定数の定額寺(じょうがくじ)も,もとは貴族・豪族などの発願にかかる寺院だが,官寺に準じる存在として扱われた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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