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元興寺(がんごうじ)

現在,奈良市芝新屋町(観音堂の系譜を引く。華厳宗)と,中院町(極楽坊(ごくらくぼう)の系譜を引く。真言律宗)に同名の寺がある。蘇我馬子(うまこ)のたてた飛鳥(あすか)寺(法興(ほうこう)寺)を平城遷都にともない京内に移したもので,旧地の飛鳥寺を本元興寺,当寺を新元興寺とも称した。718年(養老2)に建立が始まり,天平年間には諸堂が整い,多数の水田・寺封や奴婢を保有する大勢力の寺院となった。南都四大寺・七大寺の一つに数えられる。三論・法相の両宗が栄え,当寺三論宗の系統を元興寺流,法相宗の系統を興福寺の北寺伝に対して南寺伝と称した。1451年(宝徳3)の土一揆で金堂などを焼失。1859年(安政6)の火災では五重塔・観音堂を失うなど,たびたび被害にあった。極楽坊本堂・禅室・五重小塔は国宝。塔跡・極楽坊境内・小塔院跡は国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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