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寛永通宝(かんえいつうほう)

江戸時代の代表的な銭貨。1626年(寛永3)に水戸で私鋳されたのが最初で,幕府は36年に江戸と近江国坂本で,翌年にはさらに水戸・仙台など8カ所で銅一文銭の鋳造を開始させた。以後の再三の増鋳時にも寛永通宝の銭文(せんぶん)が採用されたが,鋳造時期や場所によって銭質や大小軽重に差があった。68年(寛文8)以降裏に「文」の刻印のある文字銭(ぶんじせん)が大量に鋳造された。元禄・宝永あるいは元文の金銀改鋳の際にも,多数の銭座で鋳造が行われた。この頃までの銭座は請負方式をとったが,1765年(明和2)以降,金座・銀座以外での鋳銭は困難になった。素材の銅が不足したため,1739年(元文4)鉄一文銭が登場し,68年には4文通用の真鍮(しんちゅう)四文銭,1860年(万延元)には精鉄四文銭などが発行された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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