1. 用語
  2. 日本史 -か-
  3. 冠位(かんい)

冠位(かんい)

7世紀に官人にさまざまな規格の冠を授け,それを着用させることにより朝廷での身分の上下を明らかにした制度。ウジを対象とする氏姓と異なり個人に与えられ,昇進が可能であり,世襲されないことなどを特色とする。唐の官品が官職のランクであるのに対し,冠位は個人に冠を与えて格づけするもので,朝鮮三国の制度をうけついだもの。603年(推古11)の冠位十二階を端緒とし,以後647年(大化3),649年,664年(天智3),685年(天武14)に順次改定された。689年(持統3)の飛鳥浄御原(きよみはら)令施行にともない,従来の位冠に加えて文書の位記が発給されるようになった。さらに701年(大宝元)の大宝令では,30階の位階制が施行されるとともに位冠の授与が停止され,位階の授与は位記の交付を通して行われることとなり,冠位制は律令制的な位階制に発展的に解消した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう