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唐様(からよう)

中国風の書のことで,日本風の書を意味する和様に対する語。唐様・和様の区別がより強く意識されるのは,その勢力が競合している場合であり,狭義では江戸時代に行われた中国風の書をとくに唐様とよび,また限定して江戸唐様ともいう。当時は和様である御家流が公用書体として全盛をきわめ,あらゆる階級に浸透していた。そうしたなかで儒学者・文人の間では中国の書を好む傾向が強く,一貫してその姿勢を堅持したところから,とくに中国風の書が唐様として注目された。北島雪山(せつざん)・細井広沢(こうたく)らによって基礎が築かれた江戸唐様は,幕末の三筆と称される市河米庵(べいあん)・巻菱湖(まきりょうこ)・貫名海屋(ぬきなかいおく)らによって完成された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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