樺太・千島交換条約(からふと・ちしまこうかんじょうやく)
明治初期,日露両国間の懸案だった領土問題を解決した条約。1875年(明治8)5月7日,ペテルブルクで榎本武揚公使とゴルチャコフ外相が調印。8カ条。正文はフランス文。おもな内容は,(1)日本は樺太島(サハリン)にもつ権利をロシアに譲り,全島をロシア領とし,ラペルーズ海峡(宗谷海峡)を両国の境界とする。(2)ロシアは代わりにクリル諸島(千島列島)のウルップ島(得撫島)まで18島を日本に譲る。(3)ロシアは日本のオホーツク海,カムチャツカ諸港での通商航海と近海の漁業に最恵国待遇を与える(北洋漁業権)。(4)現地住民(アイヌ)の去就は本人の意志に任せる。8月批准,同月東京で条約付録に調印。従来日露雑居だった樺太の放棄には国内に非難を生じた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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