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唐古・鍵遺跡(からこ・かぎいせき)

奈良県田原本町にある42万平方メートルに及ぶ弥生時代の大集落跡。奈良盆地中央部の初瀬川に形成された微高地に立地。1937年(昭和12)京都大学・奈良県が発掘し,弥生文化の実態をはじめて明らかにした。2009年3月までに106次にわたる調査を継続。前期から後期の土器を第�氈`第�」様式にわける編年が示され,畿内の弥生土器編年の基準となっている。集落は前期から営まれ,中期には直径400mの大環濠がめぐらされ,その外側をさらに複数の溝が取り巻く。環濠は中期末に洪水でいったん埋没し,後期に掘り直され,後期末には再度埋没。多数の柱穴群・貯蔵穴・祭祀用土坑・井戸・溝が調査された。農耕具をはじめ多種多様の木器が発見され,土器には人物・鹿・建物などの絵画土器も多い。石製・土製鎔笵(ようはん)など銅鐸鋳造関連遺物も注目される。ほかに各種の石器類・銅鏃・ガラス勾玉(まがたま)・卜骨(ぼっこつ)・銅鐸形土製品・獣骨・種子など。学史的にも弥生時代研究にも重要な遺跡。国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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